原宿神宮前商店会

原宿キャットストリートを中心とする、裏原宿と呼ばれる場所にある商店会「原宿神宮前商店会」最近ではブランド古着の聖地となっているこのエリア。もしかすると世界で一番Supremeを販売している商店会かもしれない。

歴史

前身の「原宿会」を経て、平成15年(2003年)3月「原宿神宮前商店会」発足 初代会長を八木原 保(現 名誉会長)が務める。

八木原 保 「ニットに魅せられて」より

 「私たちは原宿神宮前商店会の基本方針を話し合った。」

 

商店会というのは、個々のお店が魅力的で繁盛し、お客様が増えていくことにより、近隣商店にも相乗効果をおよぼしながら地域全体が活性化していくことが理想だ。しかし反面、街に馴染まない業種の店舗が現れたり、無秩序に発展していくことは地域の調和を乱すことになる。したがって、商店会を構成する商店主は、一人ひとりが「その街に住む人・商う人」の意識をもって、自分たちの街だから「安心・安全・明るく元気な魅力ある街」にしようという思いを一つにしなければならないだろう。

 原宿神宮前商店会は、神宮前4丁目と九重地区を一つにした商店会となった。九重は原宿のへその部分であり、文字どおり原宿の中心ともいえる地域だが商店会としてまとまっていなかった。そこで九重地区と神宮前4丁目地区の商店は互いに協力し合いながら魅力ある街づくりを目指して活動を再開したのである。

 商店会の活動を大きく分けると、環境活動・美化活動・防犯活動の3つになる。街はきれいでなければならない。犯罪は予防しなければならない。私たちは原宿という恵まれた環境のなかで商売を営んでいる。その原宿独特の空気や緑を大切に守りながら、ゴミひとつない綺麗な街づくりを目指さなければならない。最近、心ない若者による壁や塀の落書きが目立つようになった。いつ、誰がそのような心ないことをするのかなかなか防止は難しい。しかし私たちは街のパトロールやお互いのチェックによって、落書きやゴミのない綺麗な街を目指す努力を続けている。

 街が繁栄すると思いがけない不法行為や犯罪が発生するものである。商店会としては防犯や不法行為を一掃するため、行政、警察、商店会、町会が一体となり防犯パトロールなどによって安心した街づくりを目指すことにした。私は会長として定例の理事会を主催し、その時々の地域の問題点をできるだけ具体的に報告してもらい、その解決のための知恵を出し合うよう努力した。そのためには商店街全体の新店や退店の状況を正確に把握しなければならない。私は極力、事務局と連絡を密にし、また会員相互の連絡を取り合うことによって正確な情報を集めるようにした。

 もともとよそ者であった私だが、原宿神宮前商店会の立ち上げの時点ですでに38年が経っていた。私の原宿に対する思いは、原宿に生まれ育った人と変わることなく、私自身が根っからの原宿人を自覚するようになっていた。

 原宿神宮前商店会設立の際には原宿を代表する原宿表参道欅会の名誉会長である隅田商事の山本正旺社長、株式会社松井ビル社長で原宿表参道欅会理事長の松井誠一さんなどとの皆さんとは「お互いに力を出しあって、原宿の街の素晴らしい資産を次代に継承していきましょう」という気持ちで結ばれている。近隣の竹下通り商店会、隠田商店会ともども「安心、安全、明るく元気な魅力ある街づくり」への取り組みをさらに強化していきたいと考えている。

 原宿には原宿一丁目町会など、8つの町会と原宿神宮前商店会をはじめとする9つの商店会、この町会と商店会が渋谷区役所、原宿警察署と一体となり、安心・安全の街づくりに日夜取り組んでいる。